文才の無さを嘆いている
この間まで、池袋に2年間働いていて、池袋といえば美味しいらーめんの名店がたくさんあるんでしょ?といわれてもそもそも池袋勤務であることが不本意であったこともあり、積極的に外食しようという気がまったく起きなかった。
そして今度は東中野。
中央線沿いのなんだかアングラな雰囲気にはおそらくなじめないだろうし、また自分から馴染んでいこうという気もない。
まあらーめんには罪は無いわな、ということで東中野のラーメン屋さんを通勤の途中にあたってみてるわけだけど、二郎インスパイア系やとにかく大盛り系、そして想像しがたいニューウエーブ系はみつかるけど、どれも食指が動かない。
いつの間にか7月に入ってしまい、いきなり東京特有のムシムシした暑くて不快な月初日。
朝から、正確には前夜からどうしてもらーめんスイッチが入りっぱなしで、もうどこでもいいかららーめんを口にしないわけにはいかなくなっていた。
上京者は初めて住んだ路線から一生逃れられない、という説
地方から上京してきて、何度引っ越そうとも、初めて住んだその路線からは逃れられないらしい。
初めて住んだのが中央線沿線だとすると、次に引っ越すのも同じ沿線。
一度は東横線あたりに浮気しようとも、再び中央線に戻ってくる、ということ。
そういう自分も小田急線から離れられないでいる。浮気も一度だけした。
自分の上京してからの住居の経緯をたどると、
・登戸(多摩川沿い、狭いけど安かった)
・和泉多摩川(隣の駅じゃんかw)
・田町(ここ、浮気。一応港区)
・藤沢(JR利用だったけど、小田急沿線、このころサーファーw)
・大和(駅から徒歩20分という・・・)
・町田(小田急線では新宿に次ぐ、KING OF ODAKYU!)
なにが言いたいかというと、中央線には少しだけ脅威を感じていたわけです、正直。
ここまで、何を言っているのか自分でもよくわかりませんが。
まあともかく、東中野で期待もせずにふらあっと入ったらーめん屋さんに、ココロが震えたわけですわ。
< らあめん ¥700 >
もう、らーめんが運ばれてきた時点で、いや、正確にはお店の前を汗だくで歩いていて、らーめんの香りがした時点で、いやもうこれ食べなくても美味しい!と気づいてしまった。
だから、もうスマホで撮るのはやめた。
だけど、ここで自分の文才の無さ、それどころか美味しいものを文章で人に伝える能力がないことを自覚してしまった。
美味しいは美味しい。
事実だけ書く。
スープは魚介中心でタレは醤油。透きとおった色合い。脂は少しだけ。いろんな素材からのスープというか出汁で、さっぱりしてるけどとっても奥深い味わい。
ちょっと一度食べただけでは、家で再現できそうな気がしない。かなり複雑にいろんな素材が使われているような。
麺は中太のストレート。このストレートさは、ラーメン¥180を誇った、今は亡き「びっくりラーメン」か。いやこの麺の太さだと、渋谷の大島らーめんか。いやそれよりはるかに太い。
中太でストレートって見たことないかも。
さらっとしたスープと、このストレート中太麺とがいいバランス感。麺をすするのと、スープの飲むのが楽しくて仕方が無い。
しかしミシュランもよくこんな町の中のらーめん屋さん、見つけてくるなスゲー。
ビブグルマン2年連続なのは後で知った。
全体のイメージとしては、「優しい味」とか「ほっとするらーめん」なんだけど、それくらいの言葉しか頭に浮かばないという、文才の無さにガッカリしている。
うまくいえないんだけど、自分なりの言葉でまとめると、以下。
「おかわりしたくなるらーめん」。
量が足りないとか大食いとか、そういう意味ではなくて、食べている間に訪れてきた幸福感があって、この幸せな感じがいつか終わってしまうのが残念でならない。だから食べ終わる前にもう一杯おかわりを頼みたい。
とはいえお腹一杯になったので、おかわりは断念して、時間をあまりあけずに再訪することにしました。
そしてあまり普段の自分がやらないことをやってしまった。
好日のらあめんに感動したので、そのうれしい気持ちを製作者に伝えたくなったのだ。
お会計・配膳担当の方に、「すっごく美味しかったです!!!」と伝えると、そのまま奥にいた女性にそのまま伝聞してくれた。(この二人は親子なのか?)
わざわざご主人(女性です)が表まで出てきてくれて、感謝の言葉を笑顔と一緒にいただけた。
美味しい、と思ってその気持ちを店主にまでとどけたのは初めて。
そしてそんな気持ちを受け止めてもらえました。
口福はしばらく続く
お昼にいただいた、幸せな気持ちになったらーめん。
その後、仕事に戻っても、21時に退社する頃になってもまだ口福は続いていました。
たかがらーめん、されど。
宅麺にも好日はあるという。
東中野までなかなか行けないっていう方は是非!
食べログはこちら→東中野「好日」